![]() 物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定するための方法及び装置
专利摘要:
この方法によれば、転移を受けるのに好適な物理化学的系を流れ手段(8)に流入させると共に、該流れ手段の壁部の外部周囲を同じ温度に維持し(ただし、該流れ手段の2つの分離した箇所間に少なくとも存在する観測区域を除く)、該物理化学的系の温度の少なくとも一つの空間分布を該観測区域に沿って特に赤外線カメラで表示し、これから該パラメーター又は各パラメーターを該温度空間配置又は各温度空間配置を使用して推定する。 公开号:JP2011513743A 申请号:JP2010549177 申请日:2009-03-02 公开日:2011-04-28 发明作者:クリストフ・プラデレ;ジャン−クリストフ・バトゥサル;ジャン・トゥタイン;シンディ・アニー;ベルトラン・パヴァゴー 申请人:ユニヴェルシテ ドゥ ボルドー アン;ロディア オペレーションズRhodia Operations; IPC主号:G01N25-20
专利说明:
[0001] 本発明は、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法、該方法を実施するための装置、及び該装置を少なくとも備える設備に関する。] [0002] 用語「転移」とは、少なくとも2種の成分の混合物において生じ得る任意のタイプの相互作用を意味する。非制限的な態様では、当該転移は、例えば慣用型の化学反応だけでなく結晶化又は沈殿又は特に気液平衡の変更などの化学型及び/又は物理型の反応であることができる。] [0003] 一般に、本発明において、該転移は、電子を荷電又は共有することによる化学的現象や、物理的相互作用又は反発作用、例えば水素結合、静電相互作用、立体構造引力又は反発作用、様々な親水性及び/又は疎水性媒体に対する親和性、製剤安定性、凝集、又は例えば液/液、固/液又は気/液型の相間移動を包含することができる。本発明においては、このような転移を受けることのできる系を物理化学的系という。] [0004] 本発明において、転移のパラメーターとは、特に、事実上熱力学的なものである。この点で、パラメーターとは、特に関与する転移のエンタルピーである。しかしながら、これらのパラメーターは、均質媒体若しくは不均質媒体中での化学反応速度又は得られる化学反応について最適な収量を可能にする条件であることもできるが、これらに限定されない。] [0005] 本発明は、高粘度物質流により熱が生じる粘性消散などのエネルギー型の転移を検討することも可能にすることに留意すべきである。また、本発明は、当該物質のパラメーター、例えばその粘度値を利用する方法も提供することができる。] 背景技術 [0006] 化学プロセスの開発及び安全性においては、ある種の転移の熱力学的及び速度論的パラメーターを特徴付けることが極めて重要である。このような転移には、2つの大きな現象が存在する。すなわち、熱伝達及び反応速度である。これらは、熱量測定によって検討できる。] [0007] 第1のタイプの熱量測定、すなわち従来型の熱量測定は、特に「A.Zogg、F.Stoessel、U.Fischer、K.Hungerbuhler,Isothermal reaction calorimetry as a tool for kinetic analysis,Thermochim.Acta,419,p1−17,2004」に記載されている。この解決法は、補助液体が流れるジャケット付きチャンバーを使用する。] [0008] 当該文献における実施方法の一つによれば、該チャンバー内に試薬類を収容し、それらを混合した後に、ジャケット内を流れる補助液体の温度を変化させる。次に、液体と反応チャンバーの内部容積との温度差の変化を測定して、対応する反応エンタルピーを決定する。] [0009] しかしながら、この第1の解決法には、特に大量の試薬を使用することを伴うことに関連する所定の問題がある。さらに、該試薬に関する混合時間を制御するのは容易ではない。というのは、対応する操作が特に非常に長くなることが分かっているからである。最後に、この解決法は、爆発の危険性を完全には取り除けない。というのは、大量に使用することが使用者にとって特に危険な場合があるからである。] [0010] また、「微少熱量測定」として知られている方法も、例えば、「I.Wadso,Thermochim.Acta,294,p1−11,1997」に記載されるように公知である。この解決法は、温度の非常に小さな変化を調査すると共に、比較的大きな反応容量を使用する。これは、密閉反応媒体中において一定の容量で操作される。] [0011] 非常に低いエネルギーに関連する反応に適用されるこの別の解決法は、極めて精密で、その結果として非常に高価な分析機器を必要とする。さらに、これを実施するためには、できるだけ熱損失を回避しなければならない。結局、これは複雑になる。] [0012] また、生化学反応のエンタルピーにおける実時間変化を検出できる微少流体装置も提案されている;「Y.Zhang、S.Tagigadapa,Biosens.Bioelectron.,19,p1733−1743,2004」を参照されたい。この文献には、反応容量を該微少流体装置に分け、かつ、試薬を徐々に流入させることによって反応容量を徐々に満たすことが教示されている。次いで、温度変化を、感熱薄膜の状態で製造される小型熱電対列を使用して、容量に応じて測定する。] [0013] この解決法にも、まず第一に、このような感熱性フィルムの温度は反応の進行と共に変化するので、該フィルムには基準温度がないという事実に関連した所定の問題がある。さらに、測定値が的確な精度を持つためには、できるだけ断熱性のある周囲内に維持する必要がある。最後に、使用される機器は、非常に複雑であるだけでなく高価である。] [0014] さらに、FR−A−2004343号には、試薬がチャンネルに流入する化学反応の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法が開示されている。次いで、該反応に関わる全熱流束を、熱電対列を使用して測定する。] [0015] しかしながら、この既知の解決法は、完全に満足というわけではない。というのは、表面情報しか利用できない、すなわち、局所的性質よりむしろ全体的性質しか利用できないからである。したがって、この文献に記載された設備は、多数のパラメーターを推定するために容易には使用できない。] [0016] 仏国特許出願第2004343号明細書] 先行技術 [0017] A.Zogg, F.Stoessel, U.Fischer, K.Hungerbuhler, Isothermal reaction calorimetry as a tool for kinetic analysis, Thermochim. Acta, 419, p1-17, 2004 I. Wadso, Thermochim. Acta, 294, p1-11, 1997 Y. Zhang, S. Tagigadapa, Biosens. Bioelectron., 19, p1733-1743, 2004] 発明が解決しようとする課題 [0018] したがって、本発明は、上記従来技術の不利益を克服することを目的とするものである。] [0019] また、一般に、産業界は、新規な特性を有する物質、例えば、新規な化学化合物や、新規な化学物質及び/又は化学物質の新規な組み合わせを含む新規な組成物を絶えず開発しようとしている。物質の物理的転移及び/又は化学的転移は、多くの用途にとって重要である(これらは、通常、研究開発手順において試験を必要とする。)。研究開発手順、例えば、多数の物質を試験するために、及び/又は少量の物質について試験を実施するために、及び/又は試験をより迅速に行うために、及び/又は従来技術において提案された装置で検討するのには遅すぎる転移に関する試験を実施するために、研究開発手順を加速するための方法及び装置に関する要望がある。] [0020] したがって、本発明の目的は、転移の少なくとも一つのパラメーター(特に熱力学パラメーター)を、該転移を受け得る比較的少量の物質を使用して経済的な方法で確実に決定することを可能にする方法を提案することである。また、本発明の目的は、該転移を追跡するために使用されるパラメーター、特に上記物質の濃度、流量及び滞留時間を、迅速かつ容易に変更することを可能にするような方法を提案することでもある。] [0021] 最後に、本発明は、対象の転移に関する大量のデータにアクセスするだけでなく、該転移に関する局所的性質の情報にもアクセスすることを目的として当該方法を提案しようとするものである。] 課題を解決するための手段 [0022] この目的のために、本発明は、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法であって、次の工程: ・該転移を受けることができる物理化学的系を流れ手段に流入させると共に、該流れ手段の壁部の外部周囲を同じ温度に保持し(ただし、少なくとも、該流れ手段の軸方向に分離した2つの箇所であってそれぞれ上流箇所と下流箇所に指定されたものの間にある観測区域を除く); ・該物理化学的系の温度の少なくとも一つの空間分布を、上流と下流の該2つの箇所間にある該観測区域に沿って、少なくとも1回観察し;そして ・該温度空間分布又は各温度空間分布から該パラメーター又は各パラメーターを推定すること を含む方法を提供する。] [0023] 本発明の他の特徴によれば、 ・該流れ手段は断熱壁を有し、該壁の接触区域を中実の熱伝導手段と接触させることによって同じ温度に維持するが、該観測区域と該中実手段とは接触させない; ・該流れ手段の各上流及び下流箇所は、該流れ手段の、該熱伝導手段との接触区域の出口及び入り口に相当する; ・該流れ手段は、該熱伝導手段に取り外し可能に固定できる管状手段である; ・該温度の該空間分布又は各空間分布を赤外線カメラを使用して観察する; ・該物理化学的系温度の該空間分布又は各空間分布から出発して、該転移に関連する速度を表す局所熱流束の少なくとも一つの空間分布を推定する; ・該局所熱流束の空間分布を該物理化学的系の熱交換係数の値から推定する; ・該熱交換係数の値を、転移を受けない物理化学的系に相当する流体を該流れ手段内部に流すことによって決定する; ・該熱交換係数の値をカメラの感度係数値から決定し、ここで、該カメラは、温度の空間分布を観測区域に沿って得ることを可能にする; ・該感度係数を、該流れ手段に基準流体を導入し、該基準流体に様々な電力値を適用し、そして、観測区域での対応する温度上昇を測定することによって決定する; ・該局所熱流束空間分布又は各局所熱流束空間分布から出発して、該流れ手段の2つの分離した箇所間における転移に関わる全熱流束について少なくとも一つの値を推定する; ・該物理化学的系を様々なモル流量で流し、そして該流量のそれぞれについて、該温度の少なくとも一つの空間分布を観察し及び/又は該局所熱流束の少なくとも一つの空間分布を推定し及び/又は該全熱流束値についての少なくとも一つの値を推定する; ・全熱流束の変動を該モル流量に応じて決定し、そしてそこから転移エンタルピーの値を抜き出す; ・該流れ手段の内部断面は、100μm2[平方マイクロメートル]〜25mm2[平方ミリメートル]の範囲、特に10000μm2〜1mm2の範囲にある; ・該流れ手段中における該物理化学的系のモル流量は、100pmol/s[1秒あたりのピコモル]〜1mmol/s[1秒あたりのミリモル]の範囲、好ましくは1nmol/s[1秒あたりのナノモル]〜100nmol/sの範囲にある; ・流れ手段中における物理化学的系の量は、該流れ手段1センチメートルあたり1nL[ナノリットル]〜10μL[マイクロリットル]の範囲にある; ・該流れ手段の寸法及び/又は該物理化学的系の流量及び/又はモル流量を、該転移が該流れ手段の下流箇所で完全なものになるように調節する; ・該物理化学的系は、少なくとも2種の成分の混合物であり、そして、該混合物をキャリア流体の区域によって分離された流れ手段に液滴の状態で流す; ・該物理化学的系は2種成分の混合物であり、該2種成分を該流れ手段内において平行に流す; ・物理化学的系の少なくとも1回のオフライン分析を、特にクロマトグラフで、該流れ手段の下流箇所の下流で実施する;及び ・該転移が該流れ手段の下流箇所で完了しない場合には、該転移を特に急冷の手段によって停止させ、次いでオフライン分析を実施する。] [0024] また、本発明は、上記方法を実施するための装置であって、 ・物理化学的系を供給するための手段; ・該供給手段と連通した流れ手段; ・該流れ手段の壁部の外側にある、少なくとも該流れ手段の2つの離れた箇所間における全ての箇所で設定温度を強制する手段; ・該2つの離れた箇所間において該流れ手段の内部容積内の温度の空間分布を観察するための手段;及び ・該空間分布又は各空間分布からの該パラメーター又は各パラメーターを決定するための手段 を備える装置に関するものでもある。] [0025] 本発明の他の特徴によれば、 ・該流れ手段は管状である; ・該管状手段は断熱性であり、特に重合体材料、特にPTFEから製造される; ・設定温度を強制する手段は、該管状流れ手段を受け入れるための切断溝を中に有する中実の熱伝導手段を備える; ・該熱伝導手段は、その温度を変更するための手段、特にサーモスタット付き基部に関連する; ・該流れ手段は、該熱伝導手段の壁部に食刻される; ・観察手段は赤外線カメラを含む; ・供給手段は、キャリア相の区域によって分離された、該物理化学的系を形成させるためのボーラスを生成する手段を含む;及び ・該決定手段はデジタル処理手段を含む。] [0026] 以下、本発明を限定ではない単なる例示として与えた添付図面を参照しながら説明する。] 図面の簡単な説明 [0027] 図1は、転移の少なくとも一つのパラメーターを決定するための本発明の装置を図示する正面図である。 図2は、図1の装置の所定の構成部材の拡大上面図である。 図3は、本発明に従う装置に属するボーラス生成手段を示す正面図である。 図4は、本発明に従う装置に属するボーラス生成手段を示す正面図である。 図5は本発明に従う装置において生じさせることのできる流れのタイプを示す上面図である;これは、図4に示す流れとは異なる。 図6は、前の図の装置に属する流れ手段の外部表面での温度プロファイルをさらに詳細に示す断面図である。 図7は、この温度プロファイルを該流れ手段に沿って示す上面図である。 図8は、流れ手段のバリエーションを示す、図6と同様の断面図である。 図9は、本発明に従う方法の第1工程の実施を示すグラフ図である。 図10は、この第2工程中における、種々の流量についての距離に応じた温度変化を示す種々の曲線を図示するグラフ図である。 図11は、該第2工程中における交換係数を示すグラフ図である。 図12は、本発明の方法の第3工程中に得られた種々の流量についての距離に応じた様々な温度変化を示す、図10と同様のグラフ図である。 図13は、図12中における種々の流量についての、距離に応じた局所熱流束の変化を示すグラフ図である。 図14は、該第3工程を実施する際の、モル流量に応じた局所熱流量の変化を示すグラフ図である。 図15は、様々なタイプの反応についての距離に応じた局所流束の変化を示す、図13と同様のグラフ図である。 図16は、様々なタイプの反応についての距離に応じた局所流束の変化を示す、図13と同様のグラフ図である。 図17は、様々なタイプの反応についての距離に応じた局所流束の変化を示す、図13と同様のグラフ図である。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図2 [0028] まず、特に図1及び2に示す本発明の装置は、青銅などの高熱容量材料又はアルミニウムから製造されたブロック2を備える。このブロックは、任意の好適な手段を使用してサーモスタットが備えられた基部4上にある。また、熱伝達流体用の入口及び出口も設けられるが、これらは図には示されていない。例えば、該基部の温度は、中実ブロック2の温度と同様に、それ自体既知の方法で制御できる。] 図1 [0029] また、このブロック2は、流れ手段と呼ばれる管状手段8を受け入れるために溝6が切られている。この流れ手段は、PTFEやガラスなどの断熱性材料から製造される壁部である。例として、断面では、該管状手段8は、図1に示すように多角形、特に正方形の形状を有する。しかしながら、他の外形、特に円形の断面も備えることができる。] 図1 [0030] 内壁によって決まる、該流れ手段8の内部容積の左右面は、例えば、約10マイクロメートル〜数ミリメートルの範囲内にある。全く限定ではないが、この内部断面は、典型的には、100μm2(例えば10μm×10μm)〜25mm2(例えば5mm×5mm)の範囲内にある。有利には、この部分は、例えば、10000μm2(特に100μm×100μm)〜1mm2(特に1mm×1mm)の範囲内にある。典型的には、この寸法範囲は、非常に小さいレイノルズ数で、該管8への実質的な層流をもたらす。] [0031] 管状手段8は可撓性のあるものであってもよい。これは、その後受容溝6内に容易に収容できるため、有利である。しかしながら、例えばガラスから製造された硬質の管状手段も備えることができる。] [0032] 例として、該管状手段8は「分離される」。すなわち、このものは、溝6内に取り外し可能にはめ込むことができる。しかしながら、変形例では、従来技術の手順を使用してブロック2の壁部に流路を製造することができる。最初の食刻工程後に、この流路の周壁を、好適な任意の手段を使用して断熱材料から製造できる。] [0033] 図2から分かるように、管状手段8は波形を有するが、これは、ブロックの所定領域の長さを増加させることができる。また、本発明の装置は、管状手段8に向けられた従来型の赤外線カメラ10(又はIRカメラ)も備える。該カメラは、該管状手段と該中実ブロックの対向する縁部との接触箇所に相当するその入口E及び出口S間にある管状手段8の全体を撮影することができる。このIRカメラは、好適な任意のタイプのプロセッサ11と連動する。] 図2 [0034] 例示として、赤外線カメラの使用を説明している。しかし、温度場を測定することのできる変調レーザー励起と一体になった他の任意のタイプのカメラを使用することも可能である。該カメラは、熱反射性方法又は熱反射法を使用する。] [0035] カメラ10に向くブロック2の面は、不透明なフィルムで覆われる(図示しない)。これらの条件下では、該カメラに面した管状手段8の部分を含む該表面の全体を熱黒体に連結することができる。] [0036] 管状手段8は、特に図3及び4に示されているボーラスを生成するための手段と関連する。該手段は、まず、適切な材料、特に金属又はプラスチック材料から製造された略円筒形の連結手段14を備える。該連結手段は、3つの異なる通路を通じて外部と連通した内部容積Vを備える。] 図3 [0037] この点について、該手段14には、まず、流路16及び同軸チャンバー18が設けられている。これらは、それぞれ、内部容積Vの断面よりも小さい断面及び内部容積Vの断面よりも大きい断面を有する。さらに、図3及び4の上部に示した、上部流路と呼ばれる流路20が連結手段14内に切り抜かれている。例えばPEEK、PTFE、シリコーン又は金属から製造された末端部22が、好適な任意の手段を使用して該側部流路20の開口の壁部に固定されている。] 図3 [0038] 連結手段14は、管状手段8の対面端部(81で表す)だけでなく、例えばPEEKから製造された2個の毛細管24及び26を収容する。毛細管24は、以下で詳しく説明するように、使用中に該毛細管24が毛細管26の内部容積に入り込むならば、毛細管26の相当直径よりも小さな相当直径を有する。さらに、該外側毛細管26は、流れ手段8の相当直径よりも小さな相当直径を有する。最後に、毛細管24が毛細管26に入り込むことを考えると、その外径は、周囲毛細管26の内径よりも小さい。] [0039] 本明細書において、種々の流れ手段の用語「相当直径」とは、該手段の内壁が円形断面であるとした場合に、該内壁が同じ表面積について有するであろう直径をいう。これらが円形である場合には、該相当直径は、明らかに該手段の内径に相当する。] [0040] ボーラスを生成するための手段(図4参照)を形成させるためには、まず、外側毛細管26を流路16に挿入すると共に、該外側毛細管26の容積内に毛細管24を配置することを要する。さらに、流れ手段8を、チャンバー18の端部が、該チャンバー18を内部容積Vから隔離する肩部18’で終端となるまでチャンバー18内に設置する。] 図4 [0041] 流路16に集中しかつ該流路に導かれる外側毛細管26を、肩部18’を超えて突出させる。言い換えれば、流れ手段8に面する壁部及び毛細管26は、すぐ下流に延びる、すなわち図4において肩部18’の右に延びる重複区域Rを形成する。さらに、内側毛細管24の下流端部24’と外側毛細管26の下流端部26’とは同一平面上にある。すなわち、これらの2つの端部は、毛細管24及び26の主軸に対して同軸の位置を占める。] 図4 [0042] 該毛細管24及び26は、それ自体知られているタイプの、2種の流体を注入するための手段を収容する。それぞれの流体についての注入手段は、シリンジ及びプランジャー(図示しない)と関連する可撓性タイプの管(図示しない)を含む。同様に、末端部22は、例えば、シリンジ及びプランジャー(図示しない)と関連する可撓性の追加の管を含む第3流体を注入するための手段と供働する。] [0043] 以下、図1〜3を参照しつつ上記した装置の操作を説明する。] 図1 図2 図3 [0044] 本発明によれば、少なくとも一つのパラメーター、特に熱力学的性質のパラメーターは、流管8内で生じ得る転移を決定するためのものである。この目的のために、図4を参照すると、混合物を形成することができる2種の流体A及びBは、2個の毛細管24及び26に注入される。該混合物は、本発明の意味での転移を受けることができる。さらに、補助流体Pが末端部22を介して注入されるが、この補助流体は、上記第1の2種の流体の混合物とは混和できない。] 図4 [0045] 該各種流体についての典型的な注入流量は、例えば、500μL〜50mL/hの範囲内にある。補助流体Pの流量と2種の流体A及びBの流量の合計との比は、例えば、0.5〜10の範囲内にある。有利には、補助流体Pの流量は、例えば2に近い比率を基準とするA及びBの流量の合計よりも高い。] [0046] 続いて、補助流体が内部容積V、より正確に言えば流れ手段8に面する壁部と外側毛細管26とによって形成される環状の空間に流入する。さらに、毛細管24及び26の下流端部24’及び26’のすぐ下流で、該2種の第1流体を、Mで表される混合区域と呼ばれる区域内で互いに接触させる。つまり、毛細管24及び26それぞれに流入するこの2種のそれぞれの流体は、この混合区域でのみ見いだされ、かつ、それから上流では見いだされない。] [0047] さらに、重複区域Rのすぐ下流では、該2種の流体A及びBは、Cで表される接触区域と呼ばれる区域内で非混和性キャリア流体Pと接触する。該区域Rの存在は、液滴の形成が観察できることを意味するものであるが、これは、使用者が進行を制御できることを意味する。このような重複区域が存在しない場合には、必ずしも透明ではない連結手段14内で形成されると考えられる。] [0048] キャリア流体Pが流体A及びBとは混和できないことを考えると、A及びBの混合物によって構成される液滴Gがこの接触区域Cで形成される。液滴Gは、それ自体が本発明でいう物理化学的系を構成するボーラスを形成することに留意すべきである。] [0049] 結果として、2種の流体A及びBとキャリア流体Pとの両方の各流量を独立に与えることによって、毛細管24及び26のすぐ下流で分散相の単分散液滴Gを形成させることが可能になる。これらの液滴がfで表される一定頻度で放出される場合には、それらの量vは、式v=q/f(ここで、qはA及びBの流量の合計に等しい)で与えられる。言い換えれば、例えば光ダイオードを照射する単純なレーザーポインターを使用した頻度fの測定は、さらに複雑な画像処理技術を使用する必要なしに、液滴Gの量vへのアクセスを与える。つまり、手段8並びに毛細管24及び26の一定直径の所定の幾何学的形状を基準にして、形成される液滴のサイズを様々な非混和性流体の流量のみを変更することによる単純な方法で変更することが可能である。] [0050] それによって生成された様々な液滴Gは、上記転移の位置である流れ手段8に流入する。つまり、液滴Gが毛細管を通って前進するときに、該転移が起こる。しかして、初期流体A及びBによって形成された混合物の性質は、該転移の進行の度合いに応じて次第に変化する。言い換えれば、ごく最近形成された液滴、すなわち、図4の最も左寄りに位置する液滴は、実質的には混合されない2種成分A及びBを含む。続いて、これらが下流に移動すると、該2種成分はますます良好に混合され、そして、検討されるべき転移がますます進行する。] 図4 [0051] 上では、それぞれの液滴は2種成分A及びBによって形成されている。しかし、それ自体周知の態様では、液滴は少なくとも3種の成分を有することも可能である。] [0052] 図5は、ボーラス生成手段を使用しない本発明の変形例を示している。この変形例では、管状手段8への入口はボーラス生成手段とは関連していないが、少なくとも2個の上流管(図示しない)であって、そのそれぞれが1種の試薬を管状手段8に収容できるものにのみ関連する。有利には、該2個の上流管についての流れ手段8への吐出口は、それに対して入口Eに位置する。図5から分かるように、試薬(ここでは、2種の試薬C1及びC2)が、少なくとも管8の上流部分に、界面Iの両側において実質的に平行に流入する。] 図5 [0053] 特に2種成分間で生じる転移が理論上非常に緩やかな場合には、液滴を連続して形成させることが有利である。この手段は、それぞれの液滴中における2種成分の混合を促進させることができる。また、この実施は、それぞれの液滴が非常に少量しか形成されないため、爆発のリスクのある転移にとっても好適であり、それによってこのようないかなる爆発の影響も最小限に抑えられる。さらに、該液滴の成分が非常に粘稠な性質の場合には、該キャリア相の様々な部分は、これらを管中に進めることを可能にすることができる。] [0054] これに対し、図5に示すような平行流れでは、2種成分間の転移は、単にそれらの界面への拡散によって生じる。したがって、実際のところ、理論上非常に迅速な転移を検討するためには、この手段又は界面型の手段を使用することが有利である。] 図5 [0055] 有利には、これらの条件は、検討される転移が流管8からの出口で完全に完了するように選択できる。該転移を完了させるために、当業者は、様々なプロセスパラメーター、特に管8に流入する成分の流量並びにその長さを調節することができる。] [0056] 例として、その入口Eをその出口Sから隔てる流管の長さは、典型的には、1cm[センチメートル]〜50cmの範囲にあると共に、該管8に流入する成分の総流量は、250μL/h〜10000μL/hの範囲にある。さらに、該流管8中に存在する該成分の総量は、有利には、流路1センチメートルあたり1nL〜10μLの範囲にある。管状手段8内で生じる転移は、該転移が発熱であるか又は吸熱であるかに応じて正又は負であることができる所定量の熱を発生する。図6を参照すると、これは、続いて、管状手段8の内部容積V内における成分A及びBの温度変化(Tiで表す)を誘発する。次に、この内部温度の変化は、管状手段8の壁部の温度に影響を及ぼすであろう。] 図6 [0057] しかしながら、本発明の装置の性質を考えると、管状手段8の外壁は、2つの区域、すなわち中実ブロック2と接触する区域及び当該ブロックとは接触しない区域に分割できる。図6を参照すると、該壁は四角形を形成するので、3つの面が中実ブロックと接触した状態にあり、それによって91で表される接触区域を形成する。これに対し、中実ブロック2とは接触せず、かつ、カメラの視野内にある該四角形の四番目の面は、92で表される観測区域を形成する。] 図6 [0058] 有利には、接触区域91は、管8の外壁の全周囲のかなりの割合を占める。該接触区域によって占められるパーセンテージは、厳密には、該管の形状因子に依存する。例えば、非限定的な例によれば、該接触区域の長さは、有利には、該管の外壁の全周囲の75%を超え、特に90%を超える。] [0059] 中実ブロック2は熱伝導性であり、しかも管状手段の壁部は断熱性であるため、接触区域91は、全ての箇所で、すなわちその周囲及びその長さに沿って同じ温度である。この接触区域の温度(設定温度Tcという)は、実質的には中実ブロック2の温度に相当する。] [0060] これに対し、中実ブロック2とは接触しない観測区域92の温度(Tsで表される)は、内部温度Tiの変動に応じて変更することができる。図7の上面図には、この観測区域92及び接触区域91に属する面のうちの2つが示されている。流れ手段8に沿って、該接触区域の温度は上記のように一定のままである。すなわち、実質的にTcである。これに対し、観測区域の温度TSは、管状手段内部での転移のため、局所熱流束に応じて変化し得る。] 図7 [0061] 続いて、IRカメラ10により、管状手段に沿って温度Tsの空間分布を測定する(以下、「温度場」という。)。より正確にいうと、該カメラは、観測区域内にある規則的に分布した箇所で個々に温度測定を所定回数実施する。これらの箇所の数は、典型的には100〜10000の範囲、特に1000である。図7において、TS(1)〜TS(n)は、上で議論したように、nが100〜10000の範囲にある管に沿って測定される様々な温度を表す。また、それ自体公知の方法で、該カメラは、各箇所1〜nについて多数の画像を生成し、次いで平均を提示することにも留意すべきである。] 図7 [0062] 図8は、管状流れ手段108が円形である本発明の変形例を示している。これらの条件下では、中実ブロック102内に作られた溝106は、円の一部の形態をとり、ここで、管108は、該溝に強制的に挿入される。断面で表すと、手段108の外部周囲の主要部分に沿って延びる接触区域1091並びに中実手段102とは接触していない観測区域1092とを見ることができる。] 図8 [0063] 説明したとおり、温度場の測定により、パラメーター、特に熱力学パラメーター、特に熱化学パラメーター、例えばエンタルピー及び反応速度へのアクセスが得られる。管状手段内部の温度場を測定するための該工程を実施する前に、有利には該カメラを較正しかつ物理化学的系を標準化するための予備工程を実施することができる。] [0064] この較正工程は、検討すべき転移によって放出され得る熱の流束に応じた該カメラの応答を決定することを目的とする。この目的のために、反応媒体を、既知の流束を発するヒーターワイヤーに置き換える。] [0065] より正確に言うと、該ヒーターワイヤー(図示しない)は、管状手段8に導入される。該ワイヤーは、安定化供給を使用して電力が供給される。管状手段の体積(m3)内で浪費された電力(W)を知るために、ヒーターワイヤーの末端の電圧を、適当な電圧計を使用して測定する。] [0066] 適当な較正工程は、まず、「同等」と呼ばれる流体、すなわち検討すべき成分の混合物の熱的特性と類似する熱的特性を有するものを使用して管状手段を満たす工程を含む。しかしながら、この同等流体は中性でなければならない。すなわち、該流体は転移を受けてはならない。] [0067] 該同等流体は、検討される物理化学的系と同一の成分によって形成できるが、ただし、転移が生じないようにするために、非常に少ない濃度で形成される。また、該同等流体は、検討される物理化学的系に等しくてもよいが、ただし、これは、触媒や重合開始剤といった転移を生じさせる成分を有していない。] [0068] 次に、様々な電力をヒーターワイヤーに加えてカメラの各階調レベル(DLで表す)を生じさせる。 このときに、次式を使用する: 式中: ・Φは流束(W)に相当し; ・hSはカメラの感度係数(W/DL)であり; ・TSは、管8の観測区域92の温度(DL)に相当し、これは、該管に沿って実質的に全て同一であり; ・Tcは、ブロック2に定められる設定温度(DL)、すなわち、管8の外壁の接触区域91の設定温度と等しいものである。] [0069] そして、この流束Φの変化を、図9に示した曲線に従って温度差(TS−Tc)の関数として記録する。実質的に直線であるこの変化は、直線回帰などの好適なな数学的方法を使用して最小化できる。つまり、回帰直線Dの傾きは、係数hSに相当する。] 図9 [0070] この予備較正工程は、実験パラメーターに応じたカメラ10の挙動を解明できることを意味する点で特に有利なものである。これらの実験パラメーターは、特に、管の幾何学的形状、使用する材料の熱的特性及び操作条件である。] [0071] 該較正工程の後に、転移を受けかつ検討される成分の熱的特性を評価することを目的とする標準化工程を実施する。言い換えれば、流路の入口での流体の温度が設定温度とは異なる場合には、この標準化は、該成分の温度が転移のない状態での設定温度に等しくなるのに要する期間又は流動距離を評価するために使用できる。] [0072] この目的のために、上記較正工程において定義した「同等」流体を管8に流入させる。成分の混合物を使用する場合には、連続する2回の標準化を各流体について単独で実施して、それから2つの交換係数を推定することができる。次いで、全交換係数を、混合則を使用して算出する。] [0073] 同等流体は第1流量d1で管8に流入する。次いで、カメラを使用して、温度についてのn値を、上で図6及び7を参照しつつ説明したように、観測区域92に沿って観察する。次に、上記手順を様々な流量値、特に3〜12値、好ましくは6〜10値について再度開始する。] 図6 [0074] このときに、温度変化TSを、様々な流量値について管8内の同等流体の曲線横座標Zに応じて追跡することが可能である。これらの様々な曲線を図10に示している。これは、該様々な流量d1〜d7(つまり、これらは様々な速度に相当する)に対するC1〜C7で表される7種の曲線を示している。] 図10 [0075] 同等流体と管の壁部との熱交換係数Hは、様々な流量に必要である。この目的のために次式を用いる: H=hS/ρCρν(ここで、νは流体の速度である)と解される。] [0076] 次に、図11では、交換係数Hの対数の変化をレイノルズ数Reの関数として記録する(これは、流れの速度に比例する)。この変化が直線的であることを考えると、これは、熱損失が速度に依存することを示している。したがって、標準化係数(hS)及び流量を知ることで、同等流体及び管によって形成される系についての積ρCρを評価することが可能になる。] 図11 [0077] 最後に、これら2つの予備工程の後に、転移を誘導することができる検討すべき2種成分A及びBを管に流入させる。有利には、接触区域C(図4参照)と入口Eとを合致させる(図2参照)。実際に、これはこの検討の正確さを改善させることができる。というのは、そのようにして転移が始まる領域が正確に分かるからである。さらに、これらの成分は、ブロック2によって決まる温度Tcに等しい温度で入ることが想定される。] 図2 図4 [0078] 次に、同等流体について上記したとおり、観測区域92の温度場を管8に沿って、すなわち成分A及びBが受ける転移が進行するにつれて観察する。次に、同等流体により行われる工程と同様の方法で、温度場を様々な流量で数回観察する。] [0079] これらの条件下で、反応媒体と関連がある熱流束によって生じる観測区域の温度変化に関する、管8の曲線横座標Zに応じた様々な曲線を作成する。このようにして、様々な流量値に相当する曲線C’1〜C’7を示す図12が得られる。] 図12 [0080] 上から分かるように、2種成分A及びBは、設定温度Tcに相当する初期温度で管8に入る。これらの条件下では、図12の曲線は、該成分の物理化学的転移によって生じる温度変化に一意的に相当する。] 図12 [0081] しかしながら、これらの成分が設定温度とは異なる温度で入る場合には、その物理化学的系が受けている転移とは無関係に該系がこの設定温度に適応するのに要する時間を考慮しなければならない。続いて、単一の物理化学的転移に相当する温度変化の曲線を、図10から分かるように、実験的に得られた全曲線と、転移が存在しない状態での同等流体についての曲線との差をとることによって得る。] 図10 [0082] 図12に戻ると、それぞれの曲線C’1〜C’7について、まず温度が急速に上昇し、続いて急速に低下することが分かる。これは、検討されている転移が性質上急速であり、かつ、完全であることを意味する。] 図12 [0083] この次工程は、局所温度がすでに測定された管のn箇所のそれぞれについての局所熱流束値を決定することからなる。この目的のために、次式を使用する: ここで、iは1〜n、すなわち該管に沿った測定の回数である。] [0084] こうして決定された局所熱流束についてのこれらのn値から出発して、横座標Zに沿った局所流束ΦLの変化を図13に示すように推定することができる。この操作は、流量d1〜d7の様々な値について実施されるが、これは、C”1〜C”7で表される7種の曲線を作成できることを意味する。この局所流束値は非常に有益であることに留意すべきである。というのは、これは、検討される転移に関連する反応速度を得ることができることを意味するからである。] 図13 [0085] 次に、追加工程において、各局所熱流束を様々な流量に対して積算する。これは、全熱流束ΦGに関する7種の値を入口Eと出口Sとの間で得ることができることを意味する。このように、図14に示した曲線に従って、該流束ΦGの変化がモル流量dの関数として得られる。実質的に直線であるこの変化は、直線回帰などの好適な数学的方法により最小化できる。つまり、回帰直線D’の傾きは、転移のエンタルピーに相当する。] 図14 [0086] 本発明は、説明しかつ示した例には限定されない。] [0087] 例えば、反応混合物のオフライン分析を、任意の好適な装置、特にクロマトグラフを使用して管8の下流で実施することができる。転移が管状手段からの出口で完全には完了しない場合には、該転移がさらに進行するのを止めるために、該成分の混合物を急冷させる。] [0088] 追加の変形例では、転移のオンライン分析(すなわち適当な流管内で)も実施できる。この目的で、ラマン型の装置を使用する。例えば、そのビームは、管状手段の内部容積の方に向けられる。] [0089] 本発明は、上記の目的を達成することができる。 これは、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを、簡単な部品を使用した単純な方法で、付随的には比較的低コストで決定できることを意味する。] [0090] さらに、本発明は、検討中の物理化学的系の組成を非常に単純な方法で変化させることを可能にする。この点について、この変更は、この物理化学的系を構成する物質の流量を単に変更することによって達成できる。] [0091] また、本発明は、検討すべき物理化学的系を非常に少量しか使用しなくてもよいことを強調しておく。これは、まず第一に、爆発という大きなリスクの全てを取り除く点で、非常に発熱的な反応にとって有益である。第二に、少量しか使用しないことは、物理化学的系が高価な場合に、非常に重要なことである。] [0092] さらに、図13から分かるように、本発明は、検討すべき転移に対して局所型のデータへのアクセスを与える。つまり、この図に示されるように、局所熱流束ΦLが直ちに増加し、次いで管状手段の上流部分からかなり実質的に減少するという点で、検討中の転移が非常に急速に生じることを決定することを可能にする。] 図13 [0093] 図15から先の図で分かるように、本発明は、他のタイプの反応速度を特定することを可能にする。例えば、図15において、局所熱流束について得られる鐘形の分析結果は、ほどよく速い転移を示している。図16において、2つの鐘型の分析結果が得られているが、これは、転移が2つの連続工程で生じることを意味する。最後に、非常に緩やかに増加する図17に示す分析結果は、非常に緩やかな転移の特徴を示す。] 図15 図16 図17 [0094] これらの図の全てにおいて、転移は発熱的である。すなわち、これらの転移は、熱を発生する。明らかに、同じタイプのデータ、すなわち局所タイプは、これらの反応が吸熱的な場合に得ることができ、その結果として熱流束場の分析結果の逆転をもたらす。] [0095] また、所定の条件下では、図13、15、16及び17に示した様々な転移は、たとえそれらの局所熱流束ΦGについての分析結果が非常に異なる場合であっても、同一の全熱流束ΦLを生じさせることができることにも留意すべきである。表面流動測定を使用した従来技術は、これらの様々な転移が局所熱流束及び結果として反応速度について非常に異なる分析結果(プロフィール)を有するかどうかを決定するためには使用できない。] 図13 [0096] 以下、本発明を実施する例を単なる非限定的な例として説明する。 これに関し、図1〜4の装置を使用した。入口E〜出口Sの管8の長さは45cmであった。この円形断面の管は、1.60mmの内径及び3.20mmの外径を有していた。PTFEから製造された該管の固有の壁は、0.80mmの厚みであった。] 図1 図2 図3 図4 [0097] さらに、8mmの厚みを有するブロック2は、管8に切り込まれた該管の溝に相補的な形状を有する溝を有していた。さらに、JADEIIIとしてCEDIPから入手できるタイプの赤外線カメラを使用した。] [0098] ブロック2を10℃の設定温度に維持した。さらに、管8の上流で、強酸HCl及び強塩基NaOHを、互いに分離した2個のそれぞれの管に流入させた。該酸及び該塩基の濃度は0.45Mであると共に、それらの第1流量は10mL/hであった。] [0099] 該強酸と該強塩基とを管8への入口Eで接触させ、そこから10℃の温度に置いた。こうして、該酸及び該塩基を図5に示すように平行に流し、急速な発熱中和反応を生じさせた。言い換えれば、これらを接触させることで、図12に相当する分析結果に従って直ちに高い値となった後に急速に減少する局所熱流束が生じた。] 図12 図5 実施例 [0100] 次に、これらの局所熱流束の分析結果を示す様々な曲線を、10mL/h〜120mL/hまでの様々な流量範囲(この流量は、酸及び塩基の総流量に相当する)について決定した。最後に、図14に示したのと同様の方法で、全熱流束の変化をモル流量の関数として記録した。これは、様々な記録点の直線回帰に相当する直線を生じさせた。その傾きは58kJ/mol[キロジュール/モル]であった。この値は、文献で提供された値、すなわち56kJ/molの理論値と極めてよく一致した。] 図14 [0101] 2中実ブロック 4 基部 6 溝 8 流れ手段 8’ 対面端部 91接触区域 92観測区域 10赤外線カメラ 14連結手段 16流路 18同軸チャンバー 18’肩部 22末端部 24毛細管 24’下流端部 26 毛細管 26’ 下流端部 108 管状流れ手段 102 中実ブロック 106 溝 1091 接触区域 1092 観測区域 C 接触区域 C1試薬 C2 試薬 E 入口 G 液滴 I 界面 M混合区域 P補助流体 R重複区域 S出口 V 内部容積]
权利要求:
請求項1 物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法であって、次の工程:・該転移を受けることができる物理化学的系(A+B)を流れ手段(8)に流入させると共に、該流れ手段の壁部(8’)の外部周囲を同じ温度(Tc)に維持するが、ただし、上流箇所及び下流箇所にそれぞれ指定された、該流れ手段の2つの分離した同軸の箇所(E、S)間に少なくとも存在する観測区域(92)については該同じ温度に維持せず;・該物理化学的系の温度の少なくとも一つの空間分布を、上流及び下流の該2つの箇所間にある該観測区域(92)に沿って、少なくとも1回観察し;そして・該温度空間分布又は各温度空間分布から該パラメーター又は各パラメーターを推定することを含む、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項2 前記流れ手段(8)が断熱性の壁を有し、しかも該壁の接触区域(91)を中実の熱伝導手段(2)と接触させることによって同じ温度に維持すると共に、該観測区域と該中実の熱伝導手段(2)とは接触させないことを特徴とする、請求項1に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項3 該流れ手段(8)の各上流及び下流箇所が、該流れ手段の、該熱伝導手段(2)との接触区域の入口(E)及び出口(S)に相当することを特徴とする、請求項2に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項4 前記流れ手段が、前記熱伝導手段(2)に取り外し可能に固定できる管状手段(8)であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項5 前記温度の前記空間分布又は各空間分布を赤外線カメラ(10)を使用して観察することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項6 前記物理化学的系の温度の前記空間分布又は各空間分布から出発して、前記転移に関連する反応速度を表す前記局所熱流束(ΦL)の少なくとも一つの空間分布を推定することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項7 前記局所熱流束(ΦL)の空間分布を前記物理化学的系の熱交換係数値(H)から推定することを特徴とする、請求項6に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項8 前記熱交換係数値(H)を、転移を受けない物理化学的系に相当する流体を前記流れ手段内部に流すことによって決定することを特徴とする、請求項7に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項9 前記熱交換係数値(H)をカメラの感度係数(hS)の値から決定し、ここで、該カメラは、前記観測区域(92)に沿った温度の空間分布を得ることを特徴とする、請求項5、7又は8に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項10 前記感度係数(hS)を、前記流れ手段(8)に基準流体を導入し、該基準流体に様々な電力値を適用し、そして観測区域(92)での対応する温度上昇を測定することによって決定することを特徴とする、請求項9に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項11 前記局所熱流束空間分布又は各局所熱流束空間分布(ΦL)から出発して、前記流れ手段の2個の分離した箇所(E、S)間での転移に関連する全熱流束(ΦG)について少なくとも一つの値を推定することを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項12 前記物理化学的系を様々なモル流量で流し、そして該流量のそれぞれについて、前記温度の少なくとも一つの空間分布を観察し及び/又は前記局所熱流束(ΦL)の少なくとも一つの空間分布を推定し及び/又は全熱流束(ΦG)についての少なくとも一つの値を推定することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項13 前記全熱流束の変動を前記モル流量に応じて決定し、そしてそこから転移エンタルピーの値を抜き出すことを特徴とする、請求項11又は12に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項14 前記流れ手段(8)の内部断面が100μm2〜25mm2、特に10000μm2〜1mm2の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項15 前記流れ手段(8)中における前記物理化学的系のモル流量が100pmol/s〜1mmol/s、好ましくは1nmol/s〜100nmol/sの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項16 前記流れ手段(8)中における物理化学的系の量が、該流れ手段1センチメートルあたり1nL〜10μLの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項17 前記流れ手段(8)の寸法及び/又は前記物理化学的系の流量及び/又はモル流量を、前記転移が該流れ手段(8)の下流箇所で完了するように調節することを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項18 前記物理化学的系が少なくとも2種の成分(A、B)の混合物であり、しかも、該混合物を、キャリア流体(P)の区域によって分離された流れ手段に液滴(G)の状態で流入させることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項19 前記物理化学的系が2種成分(C1、C2)の混合物であり、しかも該2種成分を前記流れ手段内において平行に流すことを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項20 前記物理化学的系の少なくとも1回のオフライン分析を前記流れ手段(8)の下流箇所において、特にクロマトグラフで実施することを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項21 前記転移が前記流れ手段の下流箇所で完了しない場合には、該転移を特に急冷の手段によって停止させ、次いでオフライン分析を実施することを特徴とする、請求項20に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する方法。 請求項22 請求項1〜21のいずれかに記載の方法を実施するための、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置であって、・物理化学的系を供給するための手段(14、24、26);・該供給手段と連通した流れ手段(8);・該流れ手段の壁部の外側にある、少なくとも該流れ手段の2つの離れた箇所(E、S)の間における全ての箇所で設定温度を強制するための手段(2);・該2つの離れた箇所間において該流れ手段の内部容積内の温度の空間分布を観察するための手段(10);及び・該空間分布又は各空間分布からの該パラメーター又は各パラメーターを決定するための手段(11)を備える、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項23 前記流れ手段(8)が管状であることを特徴とする、請求項22に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項24 前記管状手段(8)が断熱性であり、特に重合体材料、特にPTFEから製造された、請求項22に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項25 前記設定温度を強制する手段が、前記管状の流れ手段(8)を収容するために中に切り込まれた溝(6)を有する中実の熱伝導手段(2)を含むことを特徴とする、請求項23又は24に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項26 前記熱伝導手段(2)がその温度を変更するための手段、特にサーモスタット付き基部(4)と関連することを特徴とする、請求項25に記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項27 前記流れ手段が前記熱伝導手段の壁部に食刻された、請求項23〜26のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項28 前記観察手段が赤外線カメラ(10)を含むことを特徴とする、請求項22〜27のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項29 前記供給手段が、キャリア相(P)の区域によって分離された、前記物理化学的系を形成させることを目的としたボーラス(G)の生成手段(14、24、26)を含むことを特徴とする、請求項22〜28のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。 請求項30 前記決定手段がデジタル処理手段(11)を含むことを特徴とする、請求項22〜29のいずれかに記載の、物理的転移及び/又は化学的転移の少なくとも一つのパラメーターを決定する装置。
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